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以前、一本角のザトウムシを紹介しました。http://ta440ro.blog.shinobi.jp/Entry/264/
今回のはさらにその上をいく五本角のザトウムシです。もっとも大きさは非常に小さく5mm以下、五本角かどうかなど写真を拡大してやっと分かるくらいでした。その風体からいってゴホンヤリザトウムシと思われます。070902
南海のサンゴ礁に棲むチョウチョウウオやヤッコダイの仲間には、夏季に暖流である黒潮に乗って北上する個体がいます。紀伊半島、東海地方は言うに及ばず、関東沿岸海域すなわち千葉・茨城付近まで辿り着くものが相当数いるのです。暖かい間はそこに棲みついて普通に生活していますが、秋から冬にかけ水温の低下とともに死滅してしまいます。これを「死滅回遊魚」といいます。海水魚の愛好家の中には、これらを採集し飼育することに拘っている人もいます。なぜならば、結局死滅してしまう運命にある種類の魚たちを捕まえてしまっても生態系の多様性に与える影響は小さいからです。
よく似た例が蝶の世界にもあります。写真は、最近あちこちで目にするイチモンジセセリです。イチモンジセセリは南方系の蝶で、関東でいえば北緯37度以南、冬季の最低気温が摂氏2℃以上の地域に定着しているそうです。夏から秋にかけて生息数が増えてくると北上し、限界より北の地域でも見つけることが出来ますが、結局、冬の到来とともに死滅してしまうといいます。このような生活史をもっている蝶は他にウラナミシジミが知られています。蝶なので「死滅回遊蝶」とでもいったところでしょうか。
昆虫にしても魚にしても他の生物にしても、ある程度の移動能力をもつ生き物たちが分布域を広げていこうとする場合、いつもこのようなことが起きているのでしょうね。070827
▼糞を吸っている姿はセセリ科を始めとして多くの蝶種で見られる。
▼2匹で前後に止まっていたが、オス・メスのカップルなのかは不明。
ハネナガヒシバッタでしょうか?
wikiによれば「ヒシバッタ」と呼ばれる種には、たくさんの種が含まれているとか。子供の頃から普通に見てきたバッタですが、色彩に変異が多く、同一種には余り見えませんでした。しかし、小さいものには注意を払わず、百羽一絡げで「ヒシバッタ」と呼んでしまえば「そんなものか」と思えてしまうのが人の心理です。イオウイロハシリグモが色彩によって別種として扱われてきたのとは、全く逆の待遇ですよね。
さて翅の長いヒシバッタにはハネナガヒシバッタ、ニセハネナガヒシバッタ、ヒシバッタの長翅型などがあるようです。ヒシバッタより翅の長いぶんだけ大きい程度ですが、先の3種以外の種の可能性もあります。色彩にはずいぶんと差がありますが、果たして・・・・。070824
▼ツートンカラーでなかなかキレイな色合いの個体。
▼上方に飛び出した複眼。妙に面白い顔である。
前回、見たのは記事にも紹介したように6月13日でした。
http://ta440ro.blog.shinobi.jp/Entry/165/
それにしても盛夏の虫であるヤマトタマムシが出現する時期も早くなっているようですね。データが少ないので確実ではありませんが、カブトムシがそうだからです。私がカブトムシを捕まえていた少年の頃、カブトムシの出現は最も早くて6月中旬でした。その頃ようやく最初の1匹が捕まります。そして少しずつ数が増えていくのです。ところが今年など、6月下旬にはカブトムシがぞろぞろ羽化していて、野鳥の餌食になっていました。http://ta440ro.blog.shinobi.jp/Entry/197/
出現の終わる時期も遅くなっているような気もしますが、いなくなる時期というのは出始めの時期ほどハッキリとは判りません。やはり温暖化の影響もありそうです。070824
ところで写真の2匹、最初は何をしているのか分かりませんでした。しかし、ネット上で調べてみると・・・・
実はオスの翅の根元にはメスを誘引する物質が分泌される腺があるそうで、その誘引物質をメスが舐めている間に、オスは精子球をメスの生殖器に差し入れるのだそうです。だとすると、メスの産卵管の付け根辺りに見えている白い球は、精子球かも知れません。・・・・デジカメというのは、こんな場合でも実に有用な道具になるものなのですね。070902
http://www.geocities.co.jp/Athlete/4456/sub-2_ins_kantan.htm
ヤモリは、人家そのものに住み着くことが普通であるため、餌の昆虫が確保できる程度の緑地が存在すれば、街中でも生存できます。
カナヘビは、ちょっとした公園、耕作地、雑木林などがあればよいようで、低木の上や林縁のマント群落辺りなどで特によく見かけます。
しかし、トカゲは、カナヘビと生息環境が微妙にシンクロしているようで案外そうでもなさそうです。トカゲをよく見かけるのは、寺社の石段や民家の石垣、川原なら流れから外れた土手の大きめの自然石の上などのゴツゴツした場所が多く、そのような場所を好んでいるふしがあります。
カナヘビとトカゲの繁栄の差は何でしょうか?
一説によると、移動能力の差ではないかと言われています。調べた訳ではありませんが、私も直感的に賛成です。カナヘビは長い手足を使って、相当高い草木によじ登ります。人の目線ほどの高さまでは気持ち良さそうに日光浴している姿を見かけることができます。一方、トカゲの方は登ってもせいぜい膝ほどの高さまででしょうか。日光浴している石が余程大きければ、或いは石段を下から見上げたのであれば・・・・話は別ですが、草木をよじ登っているトカゲはまず見たことがありません。そもそも植物によじ登るような長い四肢は持っていませんし、つるつるした光沢のある体は、土中に潜る方に都合がいいようです。070902
かなり巨大なクモです。体長は成熟したメスで20~30mmといった程度ですが、脚が長く非常に大きく見えます。
体色に変異が多く、おおまかにイオウイロ型、スジブト型、スジボケ型があり、従来は別種とされてきましたが、累代飼育の結果、同一種であることが判ったそうです。識別のために累代飼育までしなければならないというのは実にシビアな世界ですね。
さてこの位の大きさのクモになると餌も半端ではなくて、金魚の養殖場で金魚を捕まえていたとか、カナヘビを捕まえていたとか、かなり強烈な話も伝わっています。070824
▼イオウイロ型。単色だが、濃淡や赤みなど変異がある。この個体も実はかなり大きかった。
▼顔にはちょっとした風格がある。
ただそんな中でもハンディキャップを持つ個体が生き残っていくには自然は厳しすぎるのだと勝手に思い込んでいたふしがあります。先程までピンピンしていてもさっと野鳥にさらわれてしまうような世界です。
写真はヤマトシジミの交尾ですが、メスの方が脱皮不全で翅がねじれており、どう見ても飛ぶことは叶いません。ところがオスが求愛にやってきて交尾までこぎつけているのです。この後、産卵までいけるか何とも判りませんが、足元は食草であるカタバミですから、もうワンステップだけ。相当ラッキーな個体であることは確かです。
一般に昆虫は多産ですが、どんなに大量の卵を産んでも次世代を残せるのは平均してオス、メス1匹といったところのはずです(性比が1:1ではない種、有性生殖から外れる世代、大量発生してゆく個体群などにおいてはこの限りではない)。とするならば、成虫になれること自体、かなり幸運な星の下に生まれてきているのですが、運命はままならないものなんですね。
私の見ている前で、交尾している2匹にちょっかいを出してきた別なオスがいましたが、そのオスが伴侶を見つけて子孫を残せる確率は、現段階でそのメスより低くなっている訳ですから・・・・。070827
このカメムシ、どうやらコバネヒョウタンナガカメムシのようですが、ネット上で調べると興味深いHPに辿り着きました。そのHPによれば、コバネヒョウタンナガカメムシはメスを巡ってオス同士が闘争することがあり、その際に太く発達した前脚でボクシングのように激しく争うそうです。http://zoo2.zool.kyoto-u.ac.jp/ethol/showdetail.php?movieid=momo050115th01b
予ねてから疑問であったヒゲナガカメムシやホソナガカメムシの前脚の件もその辺りに落ち着くかも知れません。オス同士が後脚で戦うというホオズキカメムシを例に類推して頂いたspaticaさんに感謝です。唯一にして最大の疑問点はヒゲナガカメムシやコバネヒョウタンナガカメムシのメスも前脚が発達していること、ホオズキカメムシのメスも後脚が発達していることでしょうか。070727
※ヒゲナガカメムシは、http://ta440ro.blog.shinobi.jp/Entry/122
※ホオズキカメムシの交尾は、http://ta440ro.blog.shinobi.jp/Entry/134/
※ホソナガカメムシの一種?は、http://ta440ro.blog.shinobi.jp/Entry/261/
アニマルプリントのような、余りに見事な色模様なので思わず写真を撮ってしまいました。「みんなで作る日本産蛾類図鑑V2」で調べてみると、成虫は前脚が妙に長く、蛾離れした異形です。
http://www.jpmoth.org/Noctuidae/Agaristinae/Sarbanissa_subflava.html
こうなると成虫の実物も見てみたいですね。070823
コオロギやキリギリスの仲間は一口で言えば「鳴く虫」の仲間です。ところがこの仲間でも例外的に鳴かないものもあって、特に有名なのはコロギス科でしょうか。形態としてはコオロギとキリギリスの中間のような感じですが、発音器を持っていません。またカマドウマ科なども鳴きませんが、そもそも翅を持っていませんから、鳴かないと言われても当たり前過ぎますね。
この虫は意外です・・・・形態的には、~ヒバリ、~スズと呼ばれそうな感じ(それもそのはずコオロギ科クサヒバリ亜科に属する)なのに調べてみれば鳴かないとのこと。クサヒバリの♀に似ていますが、後脚の腿節には斑紋がないのが特徴なのだそうです。
ところが最近、鳴かないとされていたコロギスもタッピングといってタップダンスのような足踏みで音を出すことが分かってきたそうです。ということは他の「鳴かない虫」たちもどこでどうやって音を出しているか分かったものではないですね。
▼コナラの1本の枝に♂、♀、♂の3匹のウスグモスズが10cmほどの間隔で並んでいた。並んでいた順に左上より時計回りに♂、♀、♂、そして♀の産卵管。「鳴かない」でどうやって相手の居場所を探ってきたのか?鳴かない虫だと知っていれば、もう暫くの間、観察していたかも知れない。070823
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使用カメラ:
Canon S3IS/Canon S5IS/Panasonic FX07/RICOH R5/RICOH CX1