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最近、ある場所で一本のニワトコの木を見つけました。近づいてみると、実にいろいろな虫たちの姿を観察することができるのです。余りにも楽しいので、暫くはこの木にハマりそうです。
今日はその虫たちの中からヒラタアブ類の幼虫たちを紹介しましょう。
ヒラタアブ類の成虫は花蜜などを舐めたりしていますが、幼虫はアブラムシなどの他の小昆虫を餌にします。アブラムシたちにとっては目の仇である一方、人間たちからは生物農薬としての開発を期待されていたりするわけです。070418
▼白っぽいタイプ(クロヒラタアブ)の幼虫がアブラムシの群れの中に。羊の群れに狼が放たれているようなものだろうか。ヒラタアブの幼虫にとってはまさに「食べ放題」である。
▼フタスジヒラタブと黄色っぽいタイプ(種名は不明)の幼虫が遭遇した。どうなるかと思って見ていたが、お互いに不干渉で、近づいてきた黄色っぽいタイプの方が移動してしまった。
▼フタスジヒラタアブの方は、通常は写真のように枝に巻き付いて、横切る昆虫に襲い掛かるという。フタスジヒラタブの幼虫は昆虫写真家・新開孝氏が当初エリマキアブと仇名をつけて飼育した結果、フタスジヒラタアブの幼虫であることが確かめられたもの(新開孝氏のブログhttp://www.shinkai.info/contents/walking_archive/001_0312.htmlに詳しい)。
▼ニワトコヒゲナガアブラムシを捕食しているフタスジヒラタアブ幼虫を見つけた。隣の枝まで体を伸ばして捕まえたようだ。
今日はタンポポの種類は兎も角、黄色いタンポポの花に集まってくる虫たちを主人公にして並べてみました。
▼フタモンアシナガバチ 足長蜂というと雑食のイメージもあるし、ヤブカラシの花などに集まるイメージも強いのですが、こんなところでタンポポの花にも立ち寄るんですね。意外でした。070408
▼ホソヒメヒラタアブ ハナアブの中でも特に弱々しいイメージの種類です。そうは言っても幼虫時代は他の小昆虫を襲って食べる肉食性だったのでしょう。070408
▼このモモブトカミキリモドキもアオカミキリモドキ(カミキリモドキ科)やアオバアリガタハネカクシ(ハネカクシ科)などと同様に体液中に毒を持つことが知られており、皮膚の上で叩き潰そうものなら大変な目に遭います。
昔、友人の母親がアオバアリガタハネカクシを首辺りで叩いてしまったらしく、ひどい水泡になってしばらく治らなかったのを覚えています。ピリピリと痛むのだそうです。
雄は名前の由来通り後脚腿節が非常に太くなっていますが、雌は紫花菜のところで紹介したようにその特徴はありません。070406
▼冬は多少なりとも集団になって越冬するようです。近縁種でジュウジナガカメムシというのもありますが、この個体は絵合わせ的にヒメジュウジナガカメムシのように見えます。070406
▼ヤブキリの幼虫 キリギリスの仲間、それもヤブキリの幼虫のようです。単純に葉ばかりを食べるより花の方が好きなようです。花粉など栄養価の高そうなものを好むのでしょうか? 成虫になれば雑食性になり、他の昆虫も捕らえて食べるようになります。070412
▼ハナアブの一種? 複眼の縞模様が美しいので載せましたが、残念ながら種名が分かりません。ご存知の方がいらっしゃっいましたらお教えください。070406
大陸原産のアブラナ科植物で江戸時代に日本に入ってきましたが、現在では殆ど野生化していて、帰化植物といった方が適切でしょう。070408
▼一面に咲き乱れるムラサキハナナ
▼モモブトカミキリモドキもこの花を訪れていた。「モモブト」なのに腿が太くないのはメスだから。
カナヘビはガサガサとした鱗が特徴的で、トカゲのつやつやとした金属光沢のある鱗とは対照的です。頭も四肢も尾もトカゲと比較して長めで、特に尾は全長の2/3以上を占めます。日光浴する場所も、カナヘビは草丈の高い草本類の上だったりしますが、トカゲは河原の大きな石の上だったりします。
カナヘビの頭の天辺の鱗には「頭頂眼(顱頂眼)」と呼ばれる、光を感じ取る器官が備わっています。この頭頂眼で光を受容し、体温調節を行ったり、サーカディアンリズムをつくったりしているといわれています。頭頂眼は別名「第三の眼」とも呼ばれ、レンズや網膜まで備えているそうですが、レンズと網膜の距離が近すぎて結像はできないようです。そもそも頭頂眼は、眼であったものが進化したものなのか、それとも眼になろうとしている進化の途中なのか、まだ定説がありません。われわれ人間にも「松果体」という同じ起源から進化した器官が残っているのですが・・・・。070408
▼全長の2/3以上を尾が占める。これは成熟した雄。
▼カメラを向けていたら、ギロリと眼が合った。
▼「第三の眼」(頭頂眼)は、頭部の最も後方にある大きな2枚の鱗と接する中央の小さな鱗の上に付いているが、一見小さな窪みにしか見えない。
近縁種にナミホシヒラタアブがありますが、メスの後脚腿節はナミホシでは4/5が黒く、フタホシでは殆ど黄色いとのこと。腹部第3節まで黄色部分が左右に分かれているという特徴は個体差の方が大きいようです。またナミホシでは顔に黒条があるということです。(顔に短い黒条があるようにも見えますが、微妙です。) また似た名前のキイロナミホシヒラタアブ、フタスジヒラタアブという種もありますが、全体の印象がやや違います。
ヒラタアブの仲間は成虫は花を訪れて蜜を舐めますが、幼虫は意外なことにアブラムシなどを食べる肉食性です。
肉眼で見ると丸い腹に金色がかった模様があるようにも見えますが、拡大してみると構造色らしき金属光沢の輝きはないようです。070318
▼細長い脚が光に透けるほどの繊細なシルエット。
▼体の大きさに比して小さめの頭部の単眼に光が映り込んでいる。
▼まるで薄い和紙で出来ているかのような卵嚢が二つあったが、そのうちの一つ。
アブラムシミニ図鑑http://homepage1.nifty.com/tago-ke2/ABURAMUSHI/TOP-ABURA.htmで候補になったのは、モモアカアブラムシ、マメアブラムシ、ギシギシアブラムシの3種でした。このうち画像が一番近いと思えたのがギシギシアブラムシです。腹部の周囲に縁取り線のような溝が見えることが他の2種と違います。これ以外に似た種類がいないのかは知りませんが、もし誤りがあった場合ご教示くだされば幸いです。
ただそれ以外にもとても気になる点が一つあります。それは上の方に写っている2匹の緑色のアブラムシは何者だろうかということです。070304
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使用カメラ:
Canon S3IS/Canon S5IS/Panasonic FX07/RICOH R5/RICOH CX1