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花、鳥、風、月、虫・・・・森羅万象を
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 実に小さいゾウムシでした。サクラの葉の柄には、非常に小さい蜜腺が1対あります。この蜜腺に口吻を突き立て、中身を失敬していたのがコイツです。顔を見ると大きなサングラスを掛けたような面白い顔をしていますね。070503

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 前にも出たカナヘビですが、最近見かけるカナヘビは卵をもっていそうな個体が多くなりました。通常、5月~8月にかけて、数個の卵を草の根元などに穴を掘って産むようです。写真の個体も腹の膨れ具合からいってお腹に卵をもっているでしょう。こういう個体を捕まえて水槽などで飼っていると、遠からず卵を産みます。湿度、温度などを上手に管理してやれば孵化させることも可能です。昔、私が捕まえたカナヘビが卵を産んだときは孵化率は余りよくありませんでしたが、2個孵すことが出来ました。小さな子供のカナヘビがとても可愛らしかったのを覚えています。070629

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 S県民の森にはザトウムシはたくさんいますが、そのうちの一つです。とはいうものの、種名までは分かりませんでした。マザトウムシ科の一種だと思われますが、他のザトウムシ類と比べても脚が短めで、原始的な感じがします。また触肢も大きめでヒヨケムシやウデムシを連想させます。070620

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 最初見た時は正直言って驚きました。自宅からこれほど近所にハグロトンボがいたとは。いつもという訳ではありませんが、この辺りではそれ以降見かけるようになりました。
 真っ黒な翅をヒラヒラさせて飛ぶ独特の雰囲気は、見る人に「死」をイメージさせたり、近寄りがたいものを感じさせたりするようで、地方によってはカミサマトンボ、ホトケトンボなどと呼ばれます。070612

▼フラッシュで照らせば体もメタリックに輝く。
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▼よく見れば脚には毛が多い。

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 随分と小さいゾウムシが木杭の上でジッとしていました。写真を撮って拡大しても顔がハッキリ撮れません。しばらく他の虫たちの写真を撮って戻ってきて、もう一度、正面から撮ってみると何とか顔が見える写真になりました。ネット上で調べたところ、タカオマルクチカクシゾウムシという長い名前のゾウムシでした。口どころか顔を殆ど隠してしまうハニカミ屋(?)です。070522

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 先日、S県民の森に行って見つけたクロジョウカイと思しき昆虫です。クローズアップではなかなかの悪党面になっていますね。肉食性の昆虫であることが、よく表れています。070620

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 ちょっと変わった蛾たちを集めてみました。

①チャハマキ♂・・・・翅の畳み方が変わっています。後翅が両脇に飛び出しているので、最初見たときは一瞬、何者なのか分からないくらいでした。

②ヨツスジヒメシンクイ・・・・非常に小さい蛾ですが、拡大すると名前通りに4本のスジがあり、青緑に輝く構造色が見えます。波打った触角も龍の髭のようです。

③カザリバの一種・・・・カザリバの仲間は似たような種類が多く、写真で同定できないものも多いようです。プレゼントのラッピングのような色模様がとても面白いと思います。

④ヒメマダラマドガ・・・・直立して止まります。腹側から撮ってみると、見事な服の裏地を見ているようで、粋を感じます。

▼左上より時計回りに、チャハマキ♂、ヨツスジヒメシンクイ、カザリバの一種、ヒメマダラマドガ。

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 ベッコウハゴロモの幼虫かと思ったのですが、調べていくと近縁のアミガサハゴロモの幼虫もそっくりでした。またスケバハゴロモの幼虫も似ているかも知れません。
 さて、この尻の先から出ている白い直毛は何の為にあるのか、よく分かりませんね。体に被さるように広がっているので、何かの防御・カムフラージュかも知れません。070626

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 あるヤマノイモに3匹だけ付いていました。自らの背中には糞を背負っているようです。イネに付く虫では有名な「泥負い虫」(イネクビボソハムシOulema oryzae )がいますが、写真はヤマノイモなので別属のヤマイモハムシLema honorata か キベリクビボソハムシLema adamsii 辺りでしょうか? そもそも糞を背負う行動は属を跨ぐほど普通に見られるものでしょうか?070627

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 ヒメカメノコハムシと思われる幼虫がイノコズチの葉の上にいました。イチモンジカメノコハムシの幼虫では自らの体の上に糞を載せてカムフラージュすることが知られていますが、これはそのようなことはしていません。しかし、腹の先にこれまで脱皮してきた抜け殻を後生大事にくっつけています。威嚇する為に大きく見せようとしているのでしょうか?何とも面白い仮装です。070626

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 6月某日に見た鱗翅目4種ですが、この4種では蝶より蛾の方がエレガントに見えます。

 蝶は昼行性(蛾は夜行性)、蝶は翅を立てて止まる(蛾は羽を広げて止まる)、蝶は触覚が細い棒状(蛾は触角が太くて様々な形状)などの相違点は飽くまで原則であって例外も多く当てにはなりません。

▼左上より時計回りに、クロヒカゲ(蝶)、ホシベッコウカギバ(蛾)、キンモンガ(蛾)、ヘリグロチャバネセセリ(スジグロチャバネセセリ?、蝶)である。

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▼クロヒカゲの後翅・裏側の眼玉模様。美しいような、怖いような・・・・。

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 意外にも花は見た記憶がありませんでした。実の方は秋にあれだけちやほやされるというのに花がそうでもないのは、意識して花を見てしまった後では余計に納得がいきません(笑)。なかなか綺麗な花ではないかと思うのですが・・・・。070612

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 凄惨な現場でした。先日、樹液の豊富で、兜虫や鍬形の集まる柳の木に行ったところ、根元には兜虫の「死骸」がゴロゴロしていました。それも頭胸部ばかり9匹も・・・・。私が来る一足違いでやられたようです。何故ならば大半がまだ動いていましたから。

 どうやら犯人はカラスかヒヨドリかムクドリあたりでしょうか。アオバズクは今夏まだ情報がありませんから、来ていないようです。また、やられていた9匹のうち8匹が雄だったのは、きっと雄の角が啄ばむのにちょうど取っ手のように扱えたからでしょうか。いっせいにやられたのは2、3日前から暑くなっていっせいに羽化が始まったからかも分かりません。

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 これも面白い光景だったので、思わずシャッターを切ってしまいました。顕花植物にとって花を訪れる虫たちは貴重な花粉運搬者のはずですが、裏切り行為でしょうか?(笑)
 コハナバチ科コハナバチ亜科の一種のようですが、休んでいた葉の上でしっかり脚に付いていた花粉をこそぎ落としていました。こんなことするんですね。070617

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 以前に載せたマダラシナガバエですが、ユスリカの一種を食べている現場に遭遇しました。他の昆虫を食べるようには見えない昆虫なので、実に意外でした。

▼食べているのは、触角の形状からオスのユスリカのようだ。070624
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▼何度も噛んでいるのか、しゃぶっているのか、餌の形が崩れてきている。070624
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▼フラッシュを使うと点灯する瞬間に飛ぶ。反射神経が違う。070614
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 ミバエというのは漢字で書けば「実蝿」であり、幼虫は植物の実などに依存する生活を送ります。したがって農作物の害虫として扱われるものも多くあります。
 以前に載せたことのあるミスジミバエはカラスウリの花に依存します。今回たまたま載せることのできた下の2種のミバエたちは、それぞれ何の植物につくのかネット上で調べてみましたが、結局は分かりませんでした。

▼ツマホシケブカミバエ 最初見たときはヨコバイの仲間に見えた。翅が不透明で、大きさもその程度だったからである。070606
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▼ミツボシハマダラミバエ 翅を横に広げるので、不思議な模様が目立つ。070606
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 先日、アブラムシは年間を通じて、やっと「1匹の虫の一生」が完遂するような感じがあるという話をしましたが、今日はアブラムシが他の様々な動物の餌になることで食物連鎖・食物網の下支えをしている、と感じられるような写真を並べてみました。

 アブラムシたちは様々な捕食者から本当によく食べられています。何年か前に流行った「ピクミン・愛のうた」をふと思い出しますが、その歌詞はまるでアブラムシたちの悲哀に満ちた運命を歌っているかのようです。

♪引っこ抜かれて、あなただけについて行く♪
>「あなた」というのは蟻のことです。ヤノクチナガアブラムシなどは蟻に助けられて口吻を植物の茎に突き刺すようですから、引っこ抜いたり移動も蟻の意のままにされるのかも知れません。

♪今日も運ぶ、戦う、増える、そして食べられる♪
>「運ぶ」というのは有翅雌虫が自分の遺伝子を他の場所にある寄主植物に運んでいくこと、そして「戦う」というのはボタンズルワタムシの胎生雌虫から産まれた兵隊アブラムシが外敵と戦うようなこと、「増える」というのは胎生雌虫が単為生殖でバンバン増えていくこと、そして「食べられる」というのは他のいろいろな生物の餌になっているようなことになぞらえてみたらよさそうです。

▼左上より時計回りに、①タラノキにつくアブラムシとアリの共生、②ニワトコの花の上でニワトコヒゲナガアブラムシを貪るナミテントウ幼虫、③ケヤキの葉の上でボタンヅルワタムシを食べるナミテントウ、④ヒメカメノコテントウが交尾しつつ、セイタカアワダチソウヒゲナガアブラムシを食べて産卵のための栄養を摂っている図。
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▼左上より時計回りに、①ハラビロカマキリ1齢幼虫も②ネコハエトリ♀もアブラムシを食べる。③葦の葉の上でモモコフキアブラムシがヒラタアブ類?の幼虫に食べられ、④ニワトコの葉の上でニワトコヒゲナガアブラムシがフタスジヒラタアブの幼虫に食べられる。
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  倒木や朽木でよく見られますが、私が見つけたのは竹垣の上です。それにしても薄い体をしています。これで不都合はないんでしょうか? というより、これで何か得することがあるんでしょうね、きっと。070518

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 不思議な質感のカメムシです。そもそも樹脂で出来ているオモチャみたいに見えます。アカシマサシガメという肉食性カメムシで、普段は地上を徘徊し、ヤスデ類を好んで捕食します。つまり、見た目の質感も奇妙ですが、食性も偏向しているのです。
 最初、竹垣に張り付いているのを見つけたのですが、本来いるべき場所ではないのでしょう。数分後にはもう姿を消していました。

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 腰のくびれた2種類の昆虫を並べてみました。片や膜翅目、片や双翅目。

 ヒメバチの仲間は寄生生活をするため、寄主に如何にスマートに素早く産卵できるかが子孫を残す重要なポイントになってきます。ヒメバチ類の産卵の様子は、その腰のクビレを最大限に使ったアクロバチックなものです。

▼ソメイヨシノの葉裏に産み付けられたヒトリガ?の卵に何やら腹の先をくっつけているヒメバチの仲間。寄主にしては小さ過ぎるので産卵しているようには見えないのだが、やはり産卵であろうか?仮にそうならば、孵化した幼虫は如何なる方法で成長を遂げるのであろうか?070513

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▼クロフトモモホソバエ。この双翅目昆虫はヒメバチ類に勝るとも劣らない腰のクビレを持っている。それは如何なる理由によるのか?生物のひときわ特徴的な形態がその生活と無関係であるとは考え得ない。070516

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 これはサルノコシカケ科のアミスギタケという茸の傘の内側の模様です。シイタケなどの放射状のものと違い、網目状の造りをした、なかなか美しい代物です。傘のオモテ面は薄い茶色で中央が凹んだ浅い漏斗状をしています。春から初夏にかけて見られることが多いようです。070612

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 今年は梅雨に入っても雨が少なめですが、夏らしさは進行中です。

 水辺にある柳を覗いてみれば、オオスズメバチに出会ったり、ノコギリクワガタに出会ったり・・・・。少年時代の虫捕りを思い出しますね。

▼子供の頃は蛮勇でオオスズメバチと互角に渡り合っていたが、大人になってしまった今では流石にオオスズメバチは怖い。070613
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▼小さめのオスのノコギリクワガタだが、メスを守るような立ち位置。野鳥にやられたクワガタの死骸が根元に散乱しているが、オスが多いように思うのはそういうことだろうか。その割に木を揺らしたりすると擬死状態で簡単にポロリと落ちるのは意味が分からない。070615
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 この4種の昆虫はどれもカミキリに似ていますが、カミキリではありません。左上より時計回りにセボシジョウカイ、ツマキアオジョウカイモドキ、シロヒゲナガゾウムシ、アオカミキリモドキです。右下なぞはゾウムシの仲間だということです。

 我が国には全世界のカミキリ3万種のうち1千種がいて、さらに一見カミキリに見えてしまうカミキリモドキ科、ジョウカイボン科、ジョウカイモドキ科のような昆虫もいるわけですから、同定もなかなか覚束ないはずです。

 特によく似ているといわれるジョウカイボン科の成虫は肉食性(一部に草食性)、カミキリ科は草食性ですが、これは見ただけでは判別できません。一見して分かりやすい特徴としては、ジョウカイボン科と比べ、カミキリ科では触角の根元1節が他の節より太くしっかりしていることが多いといいます。しかしこれまた例外もあるようですから・・・・。 

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 今頃の夜の街を歩くと、夜行性の生き物たちを多く見かけます。その中でも私が大好きなものがこのヤモリです。明るいところでは猫と同様に瞳孔が細くなっているのですが、暗いところでは瞳孔が開き、まさしく「円らな瞳」です。結構、この「めぢから」にやられてしまう人も多いようです(笑)。070613

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  オニノゲシか或いはアザミの一種の葉についていたのはアザミヒゲナガアブラムシのようです。数匹の産仔雌虫がさらに多数の仔虫と一緒についていました。よく見ると1匹の産仔雌虫の腹の先端から仔虫が産まれたところでした。

 この時期のアブラムシは単為生殖期に移っていて、次々と自分と同じ遺伝子をもつ仔虫を産みます。いずれ寒くなるまでに何代も繰り返した後、雄・雌の仔虫を産む雌虫が現れます。その雄・雌の代で久しぶりの有性生殖を行うわけです。

 アブラムシの中には、天敵からの防衛のために兵隊アブラムシを産むボタンヅルワタムシのような種類も知られています。ボタンヅルワタムシはボタンヅルとケヤキの間で寄主変換をするタイプのアブラムシですが、ボタンヅルについている時期の1齢幼虫の一部に兵隊アブラムシが存在していて、兵隊アブラムシは1齢のまま短い生涯を終えるといいます。

 蜂や蟻のような社会性昆虫では一つの巣、コロニーがあたかも一つの個体であるような超個体として見なすことができるという説がありますが、このアブラムシたちも年間を通じた生活史を見てやっと1匹のアブラムシの一生を見るような感があります。個が犠牲になって全体を支えるという構造は、人間から見ると美談のような趣がなくもないですが、どうやら少し違うもののようです。070620

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最近になって再び、季節の風景や生きものを求めて自然の中に出かけることが多くなりました。

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